めげんな、がんばれ

こんばんは、ピッピです。

今は布団の上でぬくぬくしながらこのブログを書いています。

 

 

 

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私の飼い主であるかなえちゃんは、作業所というところに通所しています。

かなえちゃんの話によると、タオル折りをしたり箱折りをしたり、いろんな作業をしているらしいです。最近になってようやく慣れてきた、とかなえちゃんは言います。細かいピンセットを使うような作業がいちばん好きで、箱折りがいちばん苦手、と言っていました。

 

作業所に行く前、かなえちゃんは介護の仕事をしていました。

介護の仕事は大変だったけれど、やりがいはあったと言っていました。

かなえちゃんは中学生の時に統合失調症と診断されて、不安定な思春期を過ごしてきました。

短大を卒業して、介護の仕事の資格を取って、一般で働いている。それはかなえちゃんにとって唯一自分が誇れることでした。

わたしは、病気だけどちゃんと一般で働いている。

それがかなえちゃんのちっぽけなプライドでした。

 

でも介護の仕事も長くは続かなくて、体調を崩して入院して、働いていた施設も辞めて、かなえちゃんは作業所に通うことになりました。

今まで施設の職員だったのが、作業所では利用者という立場になりました。

ちっぽけなプライドが邪魔をして、かなえちゃんはなかなか作業所になじめませんでした。

 

それでもなんとか慣れてきて、休憩時間におしゃべりをするような人たちもできて、かなえちゃんは作業所になじんできました。

そんなある日、ほかの利用者さんがヘルパーを利用していると知って、それはかなえちゃんが以前働いていた会社のヘルパーと同じだと知りました。

これから、相談とか計画支援とかで、その会社の人たちが作業所に来ることもあるだろうと知って、かなえちゃんは複雑な思いになりました。

 

以前いた会社では一般で働いていたのに、今、自分は作業所にいる。決して自分が恥ずかしいわけでもないけれど、作業所にいる自分を会社の人に見られたくないと思っている自分がいる。

 

そのことをかなえちゃんは作業所のスタッフさんに話しました。

そしたら、言われたそうです。それくらいのことでめげるな、がんばれ。

「めげんな、がんばれ」って。

考えてみると作業所のほかの利用者さんたちにも失礼な話で、みんながんばって作業をしているのに、作業所にいる自分を見られたくないと思ったなんて、本当に申し訳なく情けない話です。

 

介護の会社で一般で働いていた自分も、今、作業所で作業をしている自分も、わたしはわたしなのです。ちゃんと二本の足で立っている、わたしなんです。

 

かなえちゃんは、作業所でがんばっている自分も誇れるようになりたいと言っていました。

そして「めげんな、がんばれ」と言ってくれたスタッフさんに感謝しました。「ゆっくりでいいよ」とか「休んでいいよ」「無理しなくていいよ」という言葉じゃなくて、「めげんな、がんばれ」と背中を押してくれたことに感謝したいと思いました。

 

私もその話を聞いて、かなえちゃんに「めげんなよ」と思いました。「めげんな、がんばれ」の意味を込めて、ペロリとかなえちゃんの頬を舐めました。